6.アンテナ
みなさんが作ったラジオは音を大きくする装置(アンプ)を持たないので、なるべくたくさんの電波を集めないと聞こえません。そのためになるべく大きなアンテナを作ってください。このラジオで一番重要な部品です。
アンテナは空中に飛びかっている電波を吸収し、電流にかえる働きをしています。導線に当たった電波は導線に吸収され電流に変わります。簡単に言うと大きなアンテナはたくさんの電波を吸収し大きな電流を作ります。大きいということは、ただクモの巣のように長い線を張ればいいというものではありません。なるべく高く、なるべく長く張ります。最低4m位あればいいでしょう。
アンテナを張る場所は電波が来ている必要があります。電波はどこでも飛んでいくわけではありません。たとえば団地やマンションの鉄筋コンクリートのように金属(鉄筋)に囲まれたような場所では電波は金属に吸収されて中に入ってきません。そのときは外に張ります。また、高いビルの陰では電波の陰になることも考えられます。東京付近では埼玉県戸田市、川口市近辺にTBS、文化放送、NHKの送信所(電波を出すところ)がありますので、送信所の方向が開けたところにアンテナを張るとよいでしょう。
アンテナを張る場合は、他の金属にアンテナがふれると電流が逃げてしまうので、ベランダの手すり等の金属につなぐときはビニルひもで絶縁してからつなぐようにしてください。
張り方:導線(エナメル線、電源コード、針金等)とビニルひもを用意します。なるべく高いところ、たとえば庭の木、マンションならばベランダの物干しなどにビニルひもを結びその先に導線をつけます。なるべく屋外の高いところを通して室内に引き込みます。その際ベランダの手すりや、アルミサッシなどの他の金属部分に導線がふれないように注意します。
*最近はあまり見ませんが黒電話の指止めの金属につなぐとよく聞こえます。自宅にあるかたは試してみてください。(もちろん電話線につながっているもの。)
7.使い方
ワニ口クリップをアンテナにつなぎ、イヤフォンを耳にいれ、コンデンサを出し入れし、放送がつよく受かるところでとめます。放送が受信できる位置に印を付けておきましょう。電池がないのでつけっぱなしにしておいても気にすることはありません。放送局の送信所が近い場合ではうるさいくらいに鳴ります。
8.応用
@コイルの大きさや巻数をいろいろ変えてみる。:厳密にいうと放送局の周波数で感度の高いコイルの巻数は決まってしまいます。したがって巻数の違うコイルをいくつか用意してつなぎ方を変えてみるのも良いでしょう。またコイルの直径を変更してみるのもおもしろいかも知れません。自分の部屋の大きさのコイルで実験した人もいます。
Aダイオ−ドによっても少しですが感度がかわります。また、方鉛鉱や黄鉄鉱に針をたててもダイオードの代わりになります。(鉱石ラジオといわれる由来です)いろいろ試してみるとよいでしょう。